福神漬,みそ漬,こうじ漬のポリエチレン小袋詰の加熱処理における,小袋詰内温度の変化を測定し,これら漬物の最適加熱処理法について試験した。 (1) これらの漬物の小袋詰は,加熱および水冷のさいの袋内の熱の伝導が,壜罐詰に比してきわめて早く,10~20分の短時間で袋の中心部が加熱温度に達する。80℃以下の低温度の加熱処理によって,湧きによる袋の膨脹を防止して,その後の保存性を増し,貯蔵後の色沢,風味とも無加熱のものに比し良好であった。 (2) 内容量150g詰福神漬では,達温70℃で10~15分の加熱処理が適当であり,20分では変色をきたしたほか野菜の歯切れを悪くする。人工甘味だけで調味したものは湧きの発生はないが,雑菌による変質をきたすから加熱殺菌は必要である。 (3) 内容量200g詰大根のみそ漬では達温80℃では15分の加熱処理が適当であった。 (4) 内容量200g詰こうじ漬では達温80℃では,20分の加熱処理が適当で,30分では変色をきたす。加熱処理したものは湧きとともに酸敗も防止できた。