ブドウ糖異性化酵素を得る目的で, Aerobacter cloacae を培養する培養液組成を検討した。 (1) 鉄およびマグネシウムイオンは菌体の収量,活性ともに好結果をもたらし,とくにマグネシウムは不可欠と考えられる。ともに培地に添加する適量を定めた。 (2) 食塩の添加が菌体活性を促進する著しい効果のあることを見い出した。また食塩によって,亜鉛イオンの活性促進効果は消去される。 (3) 培地の炭素源と窒素源の比率の影響を調べ,適量を定めた。 (4) 有機窒素物およびビタミンの添加効果を調ベ,CSL,酵母エキス,カザミノ酸などの添加が有効であることを認めた。ビタミン類の添加は必要でない。 (5) 以上の結果にもとづき最終的に培養液組成を設定し,これを用いて培養の経時変化を追究した。