厚さ1, 3, 6mmに輪切りしたニンジンを,緩(-20℃)急(-78.5℃)および超急速(-195.5℃)に凍結して凍乾したものと対照に熱乾および真空乾燥したものを試料とし,これらの組織の状態を検鏡比較し,20, 50および100℃の水中に浸漬して吸水量を測定し,これらの関連性についてつぎのような結果を得た。 (1) 凍結温度により凍乾品の組織が非常に異なり,緩速凍結品は変化はなはだしく,氷の結晶の成長によるものと思われる空孔が多いが,急速凍結品は生のものとほとんど同じ細胞構造のままで乾燥していた。 (2) 熱乾品に比べて凍乾品はいずれも復水率良好であったが,厚さが薄い物,緩速凍結品ほど復水率がよく,また減圧復水すると全般的に向上したが,ことに緩速凍乾品においてその差が著しかった。 (3) 組織の状態と復水について考察を行なった。