ニンジン,カボチャは,乾燥方法および凍結条件によって組織が非常に異なるので,凍結および熱風乾燥したものを30, 0および-20℃に5ヵ月にわたって貯蔵し,色およびカロチンの変化について検討した。 (1) ニンジン,カボチャとも退色は貯蔵温度による影響が非常に大きく,高温ほど退色が大であり,低温では非常に安定であった。 (2) 退色していく場合の色の変化は,色の3属性中,明度および彩度の変化が大きいが,色相の変化は少なかった。 (3) 測色結果から,凍結条件による影響は,はっきり表われなかった。 (4) 貯蔵中における試料のカロチン含量を定量した結果,ニンジン,カボチャとも貯蔵温度による影響はほとんど測色結果同様の傾向を示したが,凍結温度によって組織の違いが著しいニンジンでは,その影響が顕著に表われ,表面積の大きい急速凍結品のほうが,緩速凍結品に比べてカロチンの減少が著しかった (5) 萎縮して表面積の小さい熱風乾燥品は乾燥時の損失が大きいが,各貯蔵区において色およびカロチンの減少が少なく安定であった。