牛乳蛋白のカゼインとその構成分であるα-およびβ-カゼインに対する食用色素の染着性を検討した結果。 (1) ローズベンガルの吸着pH曲線は各カゼイン類の等電点で最低となりその両側で最高になるという特異な形状を示す。 (2) カゼイン類に対してローズベンガルはpH3.5と3.8では平衡吸着を行なわないがpH 5.1では平衡吸着を行なう。 (3) カゼインに対するアシッドレッドとタートラジンの吸着pH曲線はローズベンガルの場合と同じ型を示す。 (4) 溶液法と寒天柱法とで測定したカゼイン類に対する色素の染着能はよく比例し,キサンテン系とトリフェニールメタン系色素がよく吸着された。