実際にアルギン酸ゼリーを食品に応用する場合における甘味剤の濃度およびその添加方法が,ゼリーの加熱あるいは凍結により受ける変化に及ぼす影響について検討した結果つぎのような知見を得た。 (1) アルギン酸ゼリーの加熱あるいは凍結後のゼリーの保形性および食感に関しては,その甘味剤による味付け方法が重要な要素となる。 (2) Na-Alg溶液中に甘味剤を添加する方法は,加熱および凍結に対しゼリーの縮小をある程度防止できるが完全ではない。また保形性および食感を悪くした。 (3) 2段浸漬方法によったゼリーは,加熱あるいは凍結によるゼリーの縮小は少なく,保形性および食感に関しても大きな悪影響は認められなかった。 (4) アルギン酸ゼリーは熱不可逆性ゼリーであるため,甘味剤による味付方法さえ適しておればビスケット,パン,罐詰類のように高温に加熱される食品またアイスクリームのような凍結処理をする食品にも応用できることが認められた。