(1) 脂肪を含む乾燥食品の酸化防止の目的で,酸化防止効果を有すると思われる化合物を間接添加方法によって,それらの酸化防止効果の検討を行なった。 (2) 脂肪とくに液相を保つもの(油脂)を濾紙に浸透吸着させた場合に酸化防止剤の間接添加による酸化防止効果は,前報におけるカロチノイド結晶の場合ほど高い効果を示さなかった。 (3) 前報において間接添加法によって酸化防止効果を認め得た化合物も油脂の場合にさほどの効果を示さなかった。その原因のひとつは気化した検索化合物との接触面積の大小によるものと推論する。 (4) 本研究において酸化防止剤の間接添加による酸化防止効果は認め得たが,検索化合物中にBHA, BHTほど酸化防止効果を期待しうる化合物は見い出せなかった。