しょう油きざみ漬保存中の乳酸菌の増殖にもとづくpH下降(酸敗とよばれる)はソルビン酸の使用許可量内の添加のみでは防止が困難と考えられたので,漬汁の食塩濃度,pHを変えてソルビン酸の併用と相まって酸敗原因菌の完全抑制ができるかを試験した。 1) 漬汁の標準組成を食塩10%, pH 5.0とすれば許可量(1/1000)のソルビン酸添加でなお増殖,生酸が完全に抑制できない菌株はLactobacillus plantarum,Streptococcus faecalisの1部,Micrococcus variansであり,Streptcoccus faecalis, Micrococcus variansは食塩濃度を12%以上とすれば目的を達し得るが品質上実用性はない。 2) pHを4.6以下に下げれば食塩濃度を高めなくても許可量のソルビン酸で酸敗は阻止できる。