1964年6月下旬から10月下旬までの4ヵ月間,麻袋づめとクラフト紙袋づめの原料糖を,神奈川県下と福岡県下の2ヵ所の倉庫で貯蔵試験を行ない,下記のような結果を得た。 (1) “はえ”付け位置の最下段のものに,とくに変質の傾向がみとめられた。下から2段目の変質はきわめて少なく,3段目より上段はほとんど変質は認められなかった。 (2) 貯蔵庫内の下部は上部よりも,全貯蔵期間を通して温度が2~5℃低いが,相対湿度は約10%高く,つねに70%以上を示していた。そのために,“はえ”の下段のものが吸湿し,遂には転化を伴なう変質を,起こしたものと考えられる。 (3) 倉庫条件の良好なときは,麻袋づめのほうが変質は少なかった。しかし,条件の悪いときは,麻袋づめ・紙袋づめともに,同程度の変質をしていた。 (4) クラフト紙袋は,ミシン掛けの糸目のところから吸湿して,局部的なしみ出しをする傾向があった。麻袋も洗麻袋は,麻袋の特性を失なってしまい,局部的の“しみ出し”や流れの状態を示した。