合成スボンジにモデル食品成分を含ませたモデル食品を用いて,自己凍結法による凍結乾燥速度,いいかえれば時間を支配する各種要因のうち,厚さ,表面積,加熱温度,成分および濃度について,自己凍結完了までの最初の10分間の蒸発量,および蒸気圧上昇法を用いた乾燥終点決定による全乾燥時間の測定を行なった結果,つぎのことがわかった。 (1) 10分間の蒸発量は成分,濃度には影響されなかった。 (2) 成分,濃度を一定とし,厚さを10, 15, 20,30mmとした場合,厚さの影響は有意であったが,40と50℃の加熱温度の差は有意でなかった。 (3) 厚さ15, 30mm,乾燥室温度30, 50℃,食塩,ブドウ糖単独,濃度5, 10%の場合,厚さ,濃度,乾燥室温度および成分の順に,乾燥時間に影響した。要因相互間の作用については(厚さ―室温)はとくに大きく,(厚さ―濃度)も認められた。 (4) 食塩,ブドウ糖の乾燥挙動の相違が認められた。