白肉桃大久保種の有機酸組成とその冷蔵中および追熟による変化をシリカゲルクロマトグラフィーにより検討した。 主要酸はリンゴ酸でありクエン酸がこれにつぎ,クロマトグラム上に12個のピークを検出した。 未追熟果と追熟果を3°±0.5℃で約40日間貯蔵し,その間における各酸の変化を検討した結果,ほとんどすべての酸につき未追熟果では冷蔵20日目ごろに,追熟果では10日目ごろに変化期があることを認めた。また追熟果では35日目ごろにさらに第2回目の変化期があることを認めた。 主要酸のリンゴ酸は冷蔵中にかなりの減少を示し,未追熟果では冷蔵約40日で入庫前の約80%量に,追熟果では約60%量になった。 収穫直後の追熟および冷蔵未追熟果の出庫後の追熟による各酸の変化を検討し,いずれの場合も総遊離酸,リンゴ酸,クエン酸がかなり減少することを認めた。