ペーパークロマトグラフィーによる5'-ヌクレオチドの定量法について各種条件を検討し,最適と思われる諸条件を組合わせ,これを用いて標準ヌクレオチドおよび煮出し汁中の5'-ヌクレオチドを定量した。すなわち試料をイソプロパノール-硫酸アンモニウム-酢酸緩衝液系の展開溶媒を用いてペーパークロマトグラフィーによって分離し,分離したスポット部分を5mm幅に細切りし各ストリップを希塩酸で室温2日間溶出し,溶出液を吸光分光光度計によって定量した。標準物質の場合の回収率は5'-グアニル酸を除いて約80%であった。煮出し汁については,カツオブシでは5'-アデニル酸55~108mg/100g,5'-イノシン酸225~264mg/100g,煮干しでは5'-イノシン酸56mg/100gと定量された。