ガスクロマトグラフィー(GC)による食品防腐剤の定量法について解析した。 (1) 担体,液相,テーリング防止剤を組合せて,計22種のカラムのGC適正を試験し,中性防腐剤の定量にはThermol 30%+Chromosorb Pの系を除き,全てGCに適用できることを認めた。 (2) 酸性防腐剤の定量には,テーリング防止剤としてリン酸を添加し,担体としてDiasolid Sを用い,Poly-1.4-butandiol succinate (BDS), Tween 20を液相とする系のみが適用できた。 (3) 酸性防腐剤の気化室温度は170℃が適当であって,それ以上の温度ではSAの熱分解が起こることを認めた。また中性防腐剤の完全気化温度は200~240℃であった。 (4) 上記の結果とカラムの耐熱性の観点から,BDS3%,リン酸1%, Diasolid Sのカラム(4mm×75cm)を用い,酸性防腐剤では気化室温度170℃,展開温度140℃,中性防腐剤では気化室温度280~300℃,展開温度170℃のGC定量法を設定した。 (5) しょう油中のパラオキシ安息香酸イソプロピル,同イソブチル,同ブチルを定量した結果,±6%の誤差で分析可能であった。