蛋白質を大豆から水抽出し,低温および脱塩凝集させた場合の蛋白質成分の挙動を検討し,その挙動の差異を利用して各成分の分画を試みた結果。 (1) 低温凝集では,経時的には成分挙動の変化がみられず,非尿素系ではバンドC, Bに,尿素系では7,8, 9に相当する成分がおもに凝集した。 (2) 脱塩凝集では,脱塩が進むにつれ,まずバンドC, Bまたは7, 8, 9に相当する成分が凝集し,続いてDまたは10, 2, 3, 4, 5に相当する成分が凝集した。脱塩可溶区分にはバンド1, 6, 7'が検出された。 (3) 低温・脱塩凝集を用いて,バンドCまたは7, 8, 9がおもに検出されるF-1,おもにC, Dまたは7,8, 9, 10のF-2,おもにA, Dまたは10と1, 2, 3, 4,5, 6のF-3, F-3酸沈澱,F-3 CaCl2沈澱各区分を得た。 (4) ゲル濾過法によって,F-3酸沈澱区分からほとんどバンド10に相当する成分の区分を得た。