洋半紙にBHAを吸収させ,そのBHA吸収紙を食品とともに包装し,いわゆる間接添加にて食品の保存性を高める方法である。今回はBHA濃度および放置温度とBHAの損失,食品への移行あるいは加熱による油脂中のBHAの損失などについて検討した。 (1) BHA吸収量1.2, 2.0, 2.8および5.2mg/枚の吸収紙を室内に放置し,経時的に損失量を比較すると,それぞれ大差なく,わずかにBHA濃度の低いものほど損失量は多い。 (2) BHA吸収量2.8mg/枚のものを10°, 25°,35℃にそのままの状態およびオコノミアラレに間接添加した状態で放置し,放置温度とBHAの損失および食品への移行量を求めてみると,放置温度の高いほどBHAの損失量は多く,逆に食品への移行量は多い。ただし損失量に比例して多くなく,低温度の場合よりわずかに増加するにすぎない。 (3) 放置温度(10°, 25°, 35℃)とオコノミアラレの保存性は,放置温度の高いほどオコノミアラレ中の油脂のPO. V, CO. Vは高く,いわゆる保存性が低いが,BHAを間接添加することにより,いずれの放置温度にても保存性を高めた。 (4) 少量のアルコールにて溶解したBHAをラードに0.02%になるよう添加し,よく攪拌後,500gを鉄鍋にとり,150℃および200℃にて加熱し,加熱温度および時間とBHAの損失量を検討した結果,200℃, 30分加熱で75%が減少し,120分で完全に消滅した。150℃, 30分加熱では17%が減少し,180分で完全になくなった。