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  • 标题:ユバ状蛋白質皮膜の生成について
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  • 作者:岡本 奨
  • 期刊名称:日本食品科学工学会誌
  • 印刷版ISSN:1341-027X
  • 电子版ISSN:1881-6681
  • 出版年度:1967
  • 卷号:14
  • 期号:4
  • 页码:148-153
  • DOI:10.3136/nskkk1962.14.148
  • 出版社:Japanese Society for Food Science and Technology
  • 摘要:

    蛋白質および油脂を主成分とするエマルジョンの加熱によって,表面に皮膜を生成する現象は豆乳以外に牛乳でも日常見られる現象である。しかし筆者らの実験によるとどの蛋白質にも共通する現象とはいいがたい。たとえばカゼインは皮膜を生成するが,大豆蛋白質の場合と比べてはるかに水に分散溶解しやすい。また卵白アルブミンはこのような条件で皮膜を生成させることは困難である。ゼラチンは全く生成しない。このように蛋白質の種類により成膜可能のものとそうでないものがあり,また成膜しても膜質に大きな差異がある。大豆蛋白質について試みた上記実験結果を要約するとつぎのようになる。 (1) 豆乳あるいは蛋白質溶液を加温し皮膜の生成が始まる温度は60℃付近であり,また60℃, 30分加温した蛋白質溶液からはその後加温をつづけなくても,蒸発だけによりユバ状皮膜を生成させることができる。 (2) 皮膜生成には液面での蒸発が行なわれていることが必要で,液面が水蒸気飽和その他の理由で蒸発が阻害されている場合は生成しない。 (3) 皮膜生成自体には液の濃度,pHは大きな影響がない。 (4) 不可逆的な皮膜生成には蛋白質分子間の水素結合が必要で,液面粘度が上昇しても水素結合が阻害されると皮膜が生成しがたくなる。 (5) 油脂の存在は蛋白質の皮膜生成を促進し,生成膜の蛋白溶解率を低める。 複雑な蛋白質混合溶液の皮膜生成の機構を以上の事実のみから簡単に説明することは,もとより不可能であるが,若干の推論が許されるなら以下のように考えられる。 蛋白質溶液が加熱されると,液内での蛋白質分子の動きが活発になり,加熱温度60℃付近で蛋白質の分子形態の変化が起こるであろう。大豆の水抽出蛋白質の加熱温度と蛋白質分子の形態性状の複雑な変化については,すでに渡辺ら5)により詳細に研究され,70℃, 10分で超遠心沈降図や電気泳動図が大きく変化し分子の会合が起こることを明らかにしており,また60℃, 10分で硫安塩析曲線に著しい変化があり,大部分の蛋白質が低飽和度の硫安によって沈殿するとのべている6)。蛋白質膜生成という見地からも60℃付近でなんらかの分子形の変化があることが想像される。合成ボリペプチドの研究の進展につれて,α-helix型の重合体が一定温度の水中でβ-coil型に転換する事実が認められ,ボリ-L-アラニンは60℃,ポリ-L-プロリンは40℃がそれぞれα→β転換点とされている7)。豆乳における60℃がこの点に相当すると仮定するわけにはいかないが,分子の2次構造が比較的低温度で転換する可能性があり,このような不安定な状態で分子が界面に達すると極性基,非極性基の方向を一定にするように強いられるので,容易に分子形の変化(界面変性)が起こり,表面粘度も急昇するであろう。この際液面が水蒸気で充満しておれば配向が乱されこの変化は阻害されよう。こうして液面における蛋白質分子の密度が増大し,かつ液面から水分子がとび出していく条件の下では,蛋白質分子同志が互に密に接近し,分子間に水素結合が生じやすい状態となり,ついに相連なって皮膜を生成するに到ると考えられる。したがって蒸発を阻害しても,分子間水素結合を阻害しても皮膜は生成しない。 なお豆乳中に分散しユバ膜にとりこまれる脂肪球は前報1)のごとく0.5μ以下のきわめて微細なものであるので,これらが液面に浮上し空気と接触した状況の下では,単に油層を水面に浮べて加温している場合と全く異なり,きわめて酸化を受けやすい状態と考えられる。筆者らはこの状態で液面に比較的長時間接触していると,油脂の過酸化物価が著しく高まる現象を認めて報告8)した(第4表)。酸化を受けた油脂は豆乳加温の場合と極めて類似の条件下で蛋白質と複合体を生じ,蛋白質の溶解率を減少させることは多くの研究10)に見られるとおりである。ユバ膜蛋白質が蛋白質単独の膜より溶解しがたい1部の理由は,これに類した反応が起こるためかも知れない。

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