(1) 生ウニと塩ウニの脂質から非極性脂質および極性脂質を分画した。両者の割合は,生ウニで3:1,塩ウニで4:1であった。 (2) 非極性脂質として生ウニにも塩ウニにも炭化水素,ステロールエステル,トリグリセライド,脂肪酸,ステロールおよびモノグリセライドの存在が認められた。生ウニに比べて塩ウニでは,トリグリセライドの減少と遊離の脂肪酸の増加が見られた。 (3) 極性脂質として生ウニにも塩ウニにも,ホスファチジルエタノールアミン,レシチン,スフィンゴミエリンおよびリゾレシチンの存在が認められた。生ウニに比べて塩ウニでは,レシチン,ホスファチジルエタノールアミンの減少とリゾレシチンの増加が見られた。 (4) ウニの塩蔵中に結合型脂肪酸のうち,C18~C22の脂肪酸の一部(いずれも不飽和酸)が他の脂肪酸よりも比較的多く遊離された。