ポリエチレン臭の食品への移行の問題を追求する目的で, GC-MSによる異臭成分の同定および異臭の生成要因の1つである顔料添加によるポリエチレンの分解促進について検討をおこなった。 ポリエチレンの異臭成分は,大別すると,脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素で, n -Nonane, n -Decane, n -Undecane, Xylene, Mesitylene,等24成分を分離同定した。異臭の再構成試験により,これら炭化水素がポリエチレン臭の主要因であることを認めた。 異臭の生成要因として,ポリマーの熱分解が重要と考えられ,熱分解に対する顔料の促進効果が認められた。