デンプンを添加した魚肉ねり製品を(2±1)℃に貯蔵し,貯蔵中に圧出水分率とゼリー強度の変化に及ぼすデンプンの種類や添加量,製品の水分量,pH,加熱条件の影響について検討を行い,次の結果が得られた。 (1) ジャガイモやサツマイモのような地下デンプン添加区は,トウモロコシやコムギのような地上デンプン添加区に比べて,圧出水分率とゼリー強度の変化が大きかった。しかし,アミロメイズ,タピオカデンプン添加区には,このような傾向は認められなかった。 (2) 製品の水分量が一定で,デンプン添加量が0~14.3%(W/W)の間においては,添加量が多い程圧出水分率とゼリー強度の変化が大きかった。 (3) 製品のデンプン量が一定で,水分量が66.81~78.99%(W/W)の間においては,ゼリー強度の変化は水分量が多い程大きかった。しかし,圧出水分率の変化は,水分量との間には明確な関係が認められなかった。 (4) 製品のpHが6.0~9.3の間においては,圧出水分率とゼリー強度の変化は,pH 7付近が最も小さかった。 (5) 加熱温度が70~95℃,加熱時間が30~110分間の間においては,加熱条件の違いが圧出水分率とゼリー強度の変化に反映していることが認められた。