豆類もやし栽培の改良を目的として,二酸化炭素の間欠的,短時間処理が,ダイス,リョクトウ,アズキもやしの生長及び品質に及ぼす効果を検討した。600, 800,1200ppmのCO2を含む混合ガスを発芽床置床後12時間より毎日60分間通気処理を行ない,その後は空気を通気した。CO2処理は,豆類もやしの生長,品質に顕著な影響を及ぼした。CO2処理600, 800ppm区では,はい軸部の生長,肥大の促進効果は顕著で,光沢を有し,半透明ではりのある,いわゆる“太もやし”の生産を可能とした。この処理は,またビタミンC含有量をきわめて顕著に増加し,上記の効果と共に豆類もやしの商品性を著しく改善した。CO2 600及び800ppm処理した豆類もやしの最適収穫日は栽培開始後3日であり,これによって栽培日数は慣行法に比べ3~4日短縮された。600ppmと800ppmとでは効果に大差はなかったが,総体的に600ppmがやや勝った。実際の製造業者の慣行的な製造法について調査したところにおいては,栽培床内に好ましくない濃度のCO2が長期にわたって蓄積し,有害に作用するおそれがある。栽培床を通気し,これに毎日短時間のCO2添加を行うことが豆類もやし栽培の改良に有益と思われる。