10%, 30%,50%パインアップル果汁について,酸濃度,糖濃度の違いと嗜好の関係,果汁濃度と嗜好の関係を明らかにするために官能検査を行なった。また100%果汁について遊離アミノ酸,有機酸を定量し,次のような結果を得た。 (1) 本実験で好まれた果汁の酸濃度は0.45, 0.55%,糖濃度はBrix °14.0のものであった。 果汁濃度の嗜好については,30%果汁が10%果汁,50%果汁に比べて有意に好まれた。 (3) 酸味は酸濃度に比例して強まるが,加える糖量の影響をうけて酸味が弱められること,および果汁濃度が高まるに従ってその程度が緩慢になる傾向が認められた。甘味も酸味によって味が弱められるが,その傾向は小さかった。 (4) 酸味と甘味のバランスの良否は,総合評価の結果とよく一致する傾向が認められた。 (5) 遊離アミノ酸の定量結果はアスパラギン69.2mg/100ml,アラニン35.0mg/100ml,アスパラギン酸13.1mg/100mlなどが主たるものであった。 (6) 含有有機酸の含量比はクエン酸82.8%,リンゴ酸16.9%,コハク酸0.3%であった。