中国酢の遊離アミノ酸,有機酸,香気成分について分析を行い,日本の米酢と比較した。また,香味の官能試験を行った。 (1) 遊離アミノ酸については,含量の多いのはアラニン,グルタミン酸,リジン,ロイシンで少ないのはトリプトファン,ヒスチジン,プロリン,シスチンであっ た。日本の米酢の全アミノ酸量と比較すると,中国酢の方が約10倍多かった。 (2) 酢酸を除いた有機酸については,乳酸の含量が一番多く,次いでピログルタミン酸であった。 (3) 香気成分については,アルコール類とエステル類の含量が非常に多かった。 (4) 香味の官能試験については,酢酸の刺激臭が少なく,焦げ臭,苦味,渋味が感じられた。 日本の米酢と比較すると,中国酢の方が各成分共,含量が非常に多いのは,原料や製造法の違いによる影響も大きいと推察した。