人工栽培マイタケ成育過程における一般成分,無機成分,遊離アミノ酸,遊離糖,遊離糖アルコール,遊離有機酸含量を測定した. (1) 成育過程での水分含量は,ほぼ同じであった.粗蛋白質,粗灰分は成育につれて減少し,炭水化物,粗脂肪は増加していた. (2) 無機カチオンは,カリウムが全カチオンの77~86%を占め,成育につれて増加していた.次いで,マグネシウム,カルシウム,ナトリウムが比較的多く含まれていた. (3) 遊離アミノ酸は,味覚に関与するグルタミン酸が最も多く含まれていた. (4) 遊離糖アルコールでは,マンニトールが検出された.マンニトールの含量は,成育につれて減少し,子実体では,原基の33%であった. (5) 遊離糖では,トレハロースとグルコースが検出された.トレハロース含量は,成育につれて増加し,子実体では,原基の2.44倍となった.グルコースは,一旦増加し,子実体で減少した. (6) 遊離有機酸では,ピログルタミン酸,乳酸,酢酸,蟻酸,リンゴ酸,クエン酸,コハク酸,シュウ酸,フマール酸が検出された.リンゴ酸は,有機酸全体の47~50%を占めており,ピログルタミン酸,フマール酸,コハク酸を加えると,80%を超えていた.