ODPの酵素的酸化生成物であるo-キノンのAsAによる還元反応を利用し,差スペクトル法に基礎を置くニホンナシPPOの各種ODP酸化活性測定法について検討した.その結果,各種ODPにおけるAsA酸化量(△E243)と反応時間との間並びにPPO濃度(酵素液添加量)とAsA酸化量との間には正比例的関係のあることが認められ, AsAの酸化速度すなわち単位時間当たりの△E243値を測定することにより, ODP酸化活性を求め得ることが明らかとなった.以上の結果に基づいて,ニホンナシPPOのODP酸化活性測定法を設定した.この方法により,ナシ果実発育過程におけるCA, ECおよびPCの各酸化活性を測定したところ,これらの酸化活性はいずれも発育初期には高かったが,後期には著しい低下がみられた.