納豆の抗酸化力について検討した.脂質の過酸化度を測定した結果,納豆は発酵前の蒸大豆より安定であった.また,納豆の水溶性メタノール抽出物は蒸大豆抽出物より脂質酸化に対しより安定であることが明らかとなった.納豆,蒸大豆中の天然抗酸化物質であるトコフェロールおよび遊離イソフラボンをHPLCにて定量した.納豆と蒸大豆の間にこれらの抗酸化物質の著しい含量の差は認められなかった.発酵中に増加した納豆中の抗酸化物質の部分精製をトヨパールHW-40クロマトグラフィーにて行った所,納豆のクロマトグラムにおいて増大した3つのピークが納豆の抗酸化力の増強に関与していることが推定された.