噴霧乾燥食品の品質管理上重要な,乾燥中のフレーバー散失量の推定法について,選択拡散理論を基礎に解説した.この方面に携わる食品工学技術者諸氏の参考になれば幸である.簡易推算法に関しては,パラメーターの値の不足により,筆者らが測定した単一液滴のデーターを相関することができなかった.最近は手軽に計算機が扱えるので,物性値さえわかれば数値計算はそれほど困難ではない.その意味で,拡散係数,水分活性などの諸物性値の推算法の研究が望まれる.