中国の発酵食品である金華火腿の成分分析及び微生物の分離を行った. (1) 金華火腿の水分は23.9%と低い値であった.蛋白質含量は23.7%,脂質含量は44.3%であった.ヒ素・重金属含量も極めて低い,重金属に関しての問題は無いと考えられた. (2) 全アミノ酸の組成は対照と比べ大きな差は認あられなかった.しかし,火腿の遊離アミノ酸量は対照の1.6倍と多く,その中でもグルタミン酸の遊離量が464mg/10kgと多くなっていた.また, 5'-イノシン酸も対照の約4倍含まれていた.これらの含有量が高いことが,だしとして使用される理由の一つと考えられた. (3) 火腿からはアフラトキシン(G1, G2, B1, B2),オクラトキシンA,パツリン,ゼアラレノンなどのマイコトキシンは検出されなかった. (4) 火腿表面より分離した微生物は糸状菌が最も多く,続いて細菌・酵母の順となった.