オリゴ糖誘導体を基質としたα-アミラーゼ活性測定法によるアミロ値迅速推定および低アミロ小麦の仕分けの可能性を検討した. 1) 穂発芽性の異なる4品種と1銘柄の小麦から様々なアミロ値の小麦粉を調製し, α-アミラーゼ活性とアミロ値との相関関係を求めた.その結果,いずれの品種・銘柄においてもα-アミラーゼ活性とアミロ値の対数の間には,高い負の相関関係が存在した.従って,各々の品種においては, α-アミラーゼ活性からアミロ値の推定が可能である. 2) 両者の回帰式は品種・銘柄により若干異なるが,アミロ値が小さいほどα-アミラーゼ活性の品種・銘柄間の差異は小さかった.3) 得られた結果に基づきα-アミラーゼ活性による小麦仕分け案を作成した. 4) 実際の様々なアミロ値を持つ小麦に試案を適用した結果,仕分け案の妥当性が確認された. 本酵素法はアミログラムの測定と比較して迅速な分析が可能であり,低アミロ小麦の推定法として有用であることが示された.