(1) 本試験に用いたみりん粕のアミラーゼ力価は,米こうじの約60分の1の液化力が残存していたから,漬物などに使用する目的で粕を温水で練り,保温糖化せしめた結果,糖分が増加し粘着性を増した。 (2) みりん粕を室温で貯蔵するには,バラのままでは酸変が高まり,長期貯蔵に適さないから,奈良漬用には粕8kgに対し25%アルコール溶液1lを添加する方法,辛子漬,こうじ漬類には粕を40%の水で練り,食塩をみりん粕の10%相当量を添加して貯蔵熟成する方法がよいと思われる。なお貯蔵粕はバラ粕に比して糖分を増し,漬物原料に適するようになる。