無糖練乳に油脂の酸化防止剤であるBHAをそれぞれ0.001%, 0.005%, 0.01%ずつ添加し,65℃で30分間加熱後,200mlのビーカーに100mlずつ秤取し,25℃の室温に放置しながら,放置時間と乳酸量,凝固性,揮発性塩基性窒素およびメチレンブルーの還元性の比較試験を行なった。 (1) BHAを添加した練乳の乳酸量は無添加にくらべ少なく,その比率はBHA添加量が多いほど少なかった。 (2) BHA添加練乳の凝固性は無添加練乳と0.001%BHA添加練乳は35時間放置で凝固し,0.005%添加練乳では70時間で凝固し,0.01%添加練乳では90時間で凝固した。 (3) BHA添加練乳の揮発性塩基性窒素量を求めると,無添加練乳で58mg%, 0.001% BHA添加練乳で52mg%, 0.005% BHA添加練乳で48mg%, 0.01%BHA添加練乳で28.6mg%であった。 (4) メチレンブルーの還元性を比較すると無添加練乳がもっとも早く還元された。