1. 塩化コリン,acetylcholine, glycerylphosphorylcholineおよびlecithinの4物質のコリンは11/2時間,飽和Ba(OH)2で水解することにより,定量的に回収できるが,phosphorylcholineは4時間の水解でも全く測定できない。 2. 22% HNO3により6時間水解した場合も,飽和Ba(OH)2と同じ結果が得られる。 3. 各種の加工,調理食品からHNO3水解法により得られたコリン・ライネケートをペーパークロマトグラフィーで調べたところ,いずれもほぼ純粋に近いことが証明され,他物質がコリン定量時に干渉していないことがわかった。 4. コリン・ライネケートの純度を検討する場合,濾紙電気泳動法は所要時間が少なく,AgNO3の干渉がない点でペーパークロマトグラフィーよりもすぐれている。なお,コリン・ライネケートの濾過時には,濾過部,洗浄液を冷却することが大切である。