三品種のバレイショ(ベニマル,トヨシロ,コナフブキ)を用い,収穫直後と5℃で6ヵ月貯蔵後のものから調製した澱粉の諸性状におよぼす貯蔵の影響を調べた.その結果,6ヵ月貯蔵後のバレイショより調製した澱粉の平均粒径,リン含量,ブラベンダー最高粘度およびブレークダウンは収穫直後のものより低かった.また,糊化開始温度は貯蔵の影響をほとんど受けないことが分かった.ベニマル種の澱粉の最高粘度に達する温度は貯蔵により上昇するが,トヨシロとコナフブキのそれは低下した.1%澱粉溶液の粘性および弾性は貯蔵とともに減少したが,青価は増加した.ブラベンダー最高粘度およびブレークダウンとリン含量との間には,それぞれ高度の相関が認められた.