大豆および大豆食品のメタノール抽出液を調製し,MNNGおよびTrp-P-1による Salmonella typhimurium TA 1535/pSK 1002の誘発SOS反応に対する抑制効果を調べた.また,同抽出液のイソフラボン含量を測定した.大豆および豆乳抽出液は,変異原物質によるSOS反応をほとんど抑制しなかった.発酵食品の抑制率は,未発酵食品より高かったが,納豆および醤油は未発酵食品の場合と変わらなかった.抑制率の高かったテンペおよび味噌抽出液では,ダイゼインおよびゲニステインを多く含有した.一方,抑制率の低い未発酵食品,醤油および納豆抽出液では,イソフラボン配糖体を多く含有した.また,発酵豆乳の抑制率は, Lactobacillusbulgaricus または Streptococcus thermophilus の単独培養では低かったが, Bifidobacterium longum の単独培養およびこれら3菌種の混合倍養では高かった.