食品中のカードランの定量法として, Bacillus curdlanolyticus の生産するβ-1, 3-グルカナーゼを使用した酵素法について検討した. (1) 加熱凝固ゲルが完全に分解される酵素反応条件として,カードラン濃度1.0mg/ml以下,酵素量2U/ml, pH 6.0,温度37℃,反応2時間を設定した. (2) 酵素反応により生成されたラミナリビオースは,1-フェニル-3-メチル-5-ピラゾロンで誘導体化してから,Capcell pak C 18を使用した液体クロマトグラフィで分離した.これにより,食品中の二糖類やグルコースとの分別が可能となった. (3) カードラン含有量が高い食品では,前処理なしでも,定量が可能であった.しかし,カードラン含有量が低い場合や,食品の組成によっては,前処理が必要であり,総食物繊維の定量法であるPROFSKY法を採用した.その結果,木綿豆腐,蒲鉾,プレスハム,うどん,中華麺,プロセスチーズのいずれの食品でも,94%以上の回収率が得られた. このように,この方法は,食品中のカードランの特異的な定量法として,幅広く利用できることを明らかとした.