居住地域の異なる年齢19歳の女子学生400名を調査対象としてアンケート調査と面接調査を行い,女子学生の食意識と食行動との関係を調べ,次の結果を得た. (1) 食に対する意識や態度に関する設問項目の設定にあたって,共通性の推定値の相対的に低い項目を削除し,40項目を13項目に集約することができた.次に,その13項目を用いて因子分析を行い,食意識に対する基本因子が5因子抽出された. (2) これらの因子のうち,固有値の高い2因子,すなわち,おいしい店に関する情報収集とダイエットの因子に対する女子学生の因子得点を求め,それらを基にしてWards法によるクラスター分析を行い,400名の女子学生を分類したところ,両方の因子に対して積極的な者と消極的な者が,それぞれ全体のほぼ3割を占め,残りのほぼ4割がこれらの因子のどちらかに積極的な者であった. (3) これらの因子両方に対して積極的な者は,消極的な者に比べて,食行動に関して強い関心をもっている傾向が認められた.それに対して,消極的な者は,自信がないという愁訴が多く,食行動に関してもそれほど強い関心をもっていないことが観察された.これらの結果は,面接調査の結果とよく一致した.