愛玉子の乾燥小果より水抽出し,エタノール沈殿物および調製したゲル形成物質の特性について調べた. (1) このゲル形成物質は,メトキシル基,ガラクツロン酸の定量から低メトキシルペクチンであった.また,このゲル内のカルシウム量は,抽出後より放置約15分までは増加し,その後は低下した. 一方,乾式加熱した小果より水抽出した粘質物は,高メトキシルペクチンであり,ゲルを形成しなかった. (2) ゲル形成物質の抽出直後の溶液のpHは4.6であったが,ゲル化の進行と共に低下し,120分後は4.07であった. (3) 界面活性剤としてソディウムラウリルサルフェイトを0.005M以上添加した抽出物は,ゲルを形成しなかった.