おからの食物繊維の口当たりを改善する目的で,酸・アルカリ処理による微粒子化のための処理条件を検討した.おから試料として,豆腐製造業者から入手したもの(試料1)と表皮,胚軸部を除去した大豆から調製したもの(試料2)を用いた.少量の試料(約1g)を用いての微粒子化の定量的判定には,ガラスろ過器(3G1)を用いて吸引ろ過した際の通過割合を用いた.最適処理条件は,試料1を用いた場合,0.08M塩酸(上澄み液のpH約1.5)を加え2時間浸漬し,つぎに0.1M水酸化ナトリウム溶液(pH約12)を加え40分間撹拌することであった.その際の微粒子化割合は約80%であった.表皮は微粒子化しなかった.試料2を用いた場合,0.07M塩酸(pH1.5)を加えて90分間撹拌し,つぎに0.05M水酸化ナトリウム溶液(pH約12)を加え15分間撹拌することで,100%微粒子化した.多量の試料(50-70g)を用いる場合には,酸・アルカリ処理後に粉砕処理を行うことが必要であった.この方法によって得られた微粒子化試料はペースト状で,無水物換算で食物繊維を50%以上含んでいた.