スライスタマネギと球のままのタマネギを各種調理条件下で加熱し,それらのSDE法によるにおい抽出物とヘッドスペースガス成分についてGCおよびGC-MS分析し,比較検討した.スライス加熱タマネギのにおい成分として特徴的なジプロピルトリスルフィドは,球のまま加熱タマネギではわずかであった.一方,プロペニル基を有するスルフィド類は存在していた.甘いにおいの強い焼きタマネギにはフルフラールを始めとするフラン類が多く存在し,加熱タマネギの甘いフレーバーには糖由来の加熱香気成分が寄与していると考えられた.