バイオセンサ法による各種水産食品の分析条件について検討した. 薄いガス透過性膜を使用し,試料注入量を増加させることにより,検出下限は1.0μg/gから0.1μg/g(希釈率を考慮すると実サンプルでは1.0μg/g)に高まった. 試料中の結合型亜硫酸の遊離は,試料を硫酸酸性下で加熱する酸分解法により可能であった.酸分解法の処理条件を検討し,添加硫酸濃度1N,加熱温度及び時間は85℃, 15分が最適であった. 最適条件での酸分解法による各種水産食品の添加回収試験を行った結果,冷凍エビなどを含む22試料いずれにおいても90%以上の回収率を得られた.また,改良ランキン滴定法の分析値とも相対誤差1.5%以内で一致した. 以上の結果より,バイオセンサ法は各種水産食品中の残存亜硫酸の測定に有効であることが分かった.