ホウレンソウの非透析性抽出物が発がん物質で誘発される培養チャイニーズハムスター肺由来CHL細胞の染色体異常に及ぼす影響を検討した.ホウレンソウ非透析性抽出物を N -methyl- N '-nitro- N -nitrosoguanidine(NMMG),過酸化水素および4-nitroquinoline-1-oxide, mitomycin C (MMC)と共にCHL細胞の培地中に加えて24時間培養し,これらの発がん物質で誘発された染色体異常の数を測定したところ,ホウレンソウ非透析性抽出物はNMMG,過酸化水素およびMMCで誘発される染色分体交換や染色分体切断等の染色体異常を抑制することが明らかとなった.また,CHL細胞をNMMGおよびMMCで1時間処理した後に,発がん物質を除去してホウレンソウ非透析性抽出物と共に23時間培養した場合もホウレンソウ非透析性抽出物はこれらの発がん物質により誘発される染色体異常を抑制した.