熱帯産澱粉4種,すなわちショクヨウカンナ,アロールート,キャッサバ,サゴと対照として用いたバレイショおよびトウモロコシの澱粉のアミロペクチンに,枝切り酵素であるイソアミラーゼを作用させ,分解過程をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて検討した.α-1, 6結合を切る速度はバレイショが大きく,サゴとトウモロコシとが小さく,他の3種はその中間の速度であった.またバレイショとショクヨウカンナは長い単位鎖が多く似ており,他の4種は短い単位鎖が多いことが判明した.単位鎖のピークの保持時間は僅かずつ小さくなる傾向が見られたが,アミロペクチンの単位鎖が主に分子表面に近い部分から切られて行くとすると,内部に行くほど鎖長が長いものが多くなるのではないかと推測された.