コウジ酸はキレート力,抗菌力等の有用な生理活性を持っているが,光あるいは熱等による酸化により着色する欠点を持っている.このような光,熱に対する安定性さらに水に対する溶解性等を改良するために,微生物由来のα-アミラーゼにより配糖化を行い生成したコウジ酸配糖体の諸性質を検討した.コウジ酸配糖体は,コウジ酸に比ベ,各種金属イオン(銅,コバルト.カドミウム)に対するキレート安定性はほぼ同程度であった.また抗菌力,チロシナーゼ阻害活性は若干減少していたが,光に対する安定性に関し,それぞれの水溶液の酸化による着色を検討したところ,コウジ酸配糖体はコウジ酸の約2.5倍安定であった.また熱に対しては約5倍安定であった.