フィルム包装したブロッコリー花らい部の色調を簡易迅速かつ非破壊的に評価することを目的として,貯蔵中に変化するブロッコリーの色彩を,スチルビデオで撮った画像を解析することにより評価する方法について検討し,次の結果を得た. (1) ブロッコリー花らい部分の表面色を赤(R),緑(G),青(B)を用いて256階調(0~255)の濃度ヒストグラムで示した結果,花らい表面の凹凸により生じる影,およびフィルム表面の光沢が色彩測定のノイズ要因になることが明らかになった. (2) これら要因に相当する信号を濃度ヒストグラムから除去することにより,影の部分とフィルム表面の光沢の影響を除去することができた. (3) 貯蔵中に変化するブロッコリーの色調は,RGB表色系を色相,彩度,明度成分からなるマンセル表色系に変換し,得られる各成分の濃度ヒストグラムの平均値により適切に表現できた.画像解析により求めた色相および明度は,官能評価値と高い相関を示した. (4) 3種類(有孔低密度ポリエチレン,18.7μm厚低密度ポリエチレン,30.1μm厚ポリプロピレン)のプラスチックフィルムで包装し,15℃, 90% R.H.で貯蔵したブロッコリーの色調を,画像解析により評価したところ,花らい部の色調変化を適切に評価することができた.