加熱機器や調理条件の検討に有用な,アジ焼き魚の評価シートの作成を試みた. 日本料理専門調理人および調理学研究室員を試験室パネルとして,アジ焼き魚の好ましさを評価する言葉を調査したところ,約50語が収集された.なかでも,外観とテクスチャーに関する言葉が多かった.これを整理して14項目とした.これら14項目を説明用語になおして,それらの重要度を調査した.その結果に基づいて項目を7に絞った.数値配分法で7項目の重み付けを行った後,試験室パネルによる官能検査の結果に重回帰分析を応用し,配点を修正した.最終的に選ばれた評価項目と配点は,姿,形の良さ(10点),表面の状態(8点),焼きムラ(6点),全体的な焦げ色(20点),身のほぐれ具合(6点),汁け(25点),アジのうまみ(25点)となった。 得られた評価シートを用いて市場パネルによる官能検査を行い,その妥当性を確認した.