エノキタケ生育工程におけるO3暴露(対照区およびO3試験区:0.03ppm区,0.1ppm区,0.3ppm区)の影響を,O3暴露時期の相違(子実体原基形成初期と子実体発育初期)にっいて化学成分面から検討した. O3暴露により収量は,子実体原基形成初期でやや減少し,子実体発育初期で増加した. 子実体原基形成初期の全O3試験区で対照区に対し増加した成分は,傘の炭水化物,Ca, Na, K, V.B1,パルミチン酸,柄のCa,オレイン酸,全子実体のCaであった.一方,全O3試験区で対照区に対し減少した成分は,傘のFe, Zn,オレイン酸,柄の炭水化物,Fe, Na, V. B1,全子実体の炭水化物,Fe, Zn, V.B1,オレイン酸であった. 子実体発育初期の全O3試験区で対照区に対し増加した成分は,傘の炭水化物,V.C,柄および全子実体のV.Cであった.一方,全O3試験区で対照区に対し減少した成分は,傘の灰分,Ca, Na, K,柄の脂質,Ca, Fe, Na, K, V.B2,全子実体の脂質,灰分,Ca, Na, K, V.B2,であった.