ベルベットビーンを原料とするテンペを製造し,各製造工程における遊離アミノ酸の変化,およびベルベットビーン中の主要な非タンパク性遊離アミノ酸であるDOPA量の変化にっいて検討し,以下のような結果を得た. 1) アミノ酸分析計で遊離アミノ酸の分析を行った際,含硫アミノ酸であるメチオニンと同じ溶出時間に多量に検出されたアミノ酸はDOPAであることを確認した. 2) テンペの遊離アミノ酸含量は,原料豆1kg当たり0.8gであり,これは,原料豆の17%であった. 3) 多くのタンパク性アミノ酸は,テンペ製造の第6工程である蒸煮後まで減少し,発酵により増加した. 4) 非タンパク性アミノ酸としてベルベットビーンに多量に存在するDOPAは,2回目,3回目の水浸漬により著しい減少が認められた.テンペ製品には原料豆1kg当たり7.6gが検出され,これは30%の残存量であった.