Pleurotusは,食用きのことしてよく知られており,これら担子菌の人工栽培には,農業及び工業生産廃棄物が栄養剤として用いられている.そこで,日本酒製造の副産物である酒粕を人工栽培に利用することを目的として本研究を行った.オガコとして,ブナ,スギを用い,栄養剤として米ぬか,ふすま,酒粕を用いた.酒粕は, P. ostreatus の人工栽培において顕著な生育促進効果を示した.子実体発生操作10日後の収量は,スギ,ブナのいずれのオガコにもかかわらず,栄養剤として,米ぬかあるいはふすまを用いた場合,湿潤培地重量の4.3%であったのに対し,それぞれの培地に酒粕を加えると著しく収率が高まり,ふすまと酒粕を含んだ培地では27.1%に達した.