シソから赤紫色のアントシアニン色素(シソAN)を抽出した.このシソANについて,耐熱性,耐光性,および加熱や紫外線照射の下での多糖類やグリシルリチン塩添加の影響について検討した.その結果,(1)シソから単離した3種類のANはHPLCおよびLC/MS分析により,シアニジン3,5ージグルコシド,シアニジン3-(6- p -クマリルグルコシド)-5-グルコシド:シソニンおよびシアニジン3-(6- p -クマリルグルコシド)-5-(6-マロールグルコシド):マロールシソニンと推定した.なお,他の成分は不明である.(2)マロニルシソニンと推定されたシソANの主成分は,加熱および紫外線照射で最も不安定であった.(3)シソAN溶液に多糖類を添加した場合,無添加に比較して吸光度の増加はほとんどみられなかったが,グリシルリチン塩添加では増加した.(4)多糖類添加のシソAN溶液を100℃で8時間加熱した場合,無添加に比較しアルギン酸塩添加が安定であった,一方,8時間紫外線照射の場合は,いずれの多糖類添加も無添加と比較し退色率が低くなった.(5)グリシルリチン塩添加のシソAN溶液は加熱および紫外線照射において,無添加と比較し退色率が低くかった.