Bacillus circulans の生産する高粘性多糖(BPS)の物理化学的性質を,キサンタンガム,ローカストビーンガム,グアガム,アルギン酸ナトリウムおよびカルボキシメチルセルロース(CMC)のそれらと比較検討した. BPSは比較したどの多糖類よりも保水性に優れ,乳化安定性もキサンタンガムについで優れていた. 1.0% BPS水溶液の粘度は約900cPで,他の高粘性多糖と同程度もしくはそれ以上の粘性を示した. BPS水溶液の粘性はpH 5~9でほとんど変化が見られず,80℃までの加熱には比較的安定であった.また,グルコースの添加により粘度は増大し,クエン酸の添加により粘度が減少した.ローカストビーンガムやグアガムなどのガラクトマンナン系の多糖とBPSとの併用により増粘効果がみられた. BPSはフィルム形成能を持ち,作成したフィルムのヤング率はCMCやグアガムのフィルムよりも危険率5%以下で有為に高かった.