ゴーダチーズを製造する工程のホエー排除以後をゴーダチーズとチェダーチーズの各工程へ移行させ,熟成前に二種類のチーズを重ね合わせて圧力を加えて最終的に一つの新しいチーズにする製造を試みた.その結果,次の結論を得た.(1) 一連の製造工程においては,特に複合型チーズにするための製造方法に対して大きな障害となる要素は認められなかった. (2) 熟成日数120日目における熟成率は,ゴーダ側で約23%,チェダー側で約24%であった.また,全窒素量に対する12%TCA可溶性窒素量の割合は,ゴーダ側で約18.5%,チェダー側で約21.3%であった. (3) pHは,熟成初期より緩やかに上昇し熟成日数120日目において,ゴーダ側で5.21,チェダー側で5.18であった. (4) タンパク質(カゼイン)分解は,主にαs-カゼインがβ-カゼインより速く分解する硬質系チーズの特徴があることが認められた. (5) 有機酸では,ゴーダ側の酢酸,オロット酸,プロピオン酸およびチェダー側の乳酸が減少傾向を示した.